晴れ空男子
「うっわ…空!! 来ないで!!」

「ハハハッ………逃げるのが悪い」



 私はなんとか部屋に入り込んで空を廊下で止まらせた。





「…ずり-ぞ。不意打ちとか」

「空のほうが不意打ちだしー」

「俺はいいの」

「何それ―」




 ドア越しに話す。





 空の顔が想像できるようにもなったよ。





「ま、俺は帰る。明日覚えとけよ」

「はいはい」





 階段を下りる音が少しずつ小さくなっていった。






「…空……元気だね」

「えッ!?」




 急に聞こえた声に驚いて後ろを向く。




「り、律君!!」

「おかえりー、待ってたよ」

「ただいま」




 最近は本当に普通の話し相手の律君。




 今は夏休みだけど学校ではモテるみたい。




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