晴れ空男子
 乗り方はたぶんわかったと思う。




 行きのことだし…乗れば思いだせるでしょ。






「寝るなよ?」

「分かってるって」




 NATSUさんが待ちくたびれたように私を少し睨んでくる。




「あ、牛乳とハムが切れたから買ってこいって」

「…どこで降りればいいの?」

「…その辺の店で買ってけ」

「わかった」

「早めに帰れ。もう少し暗いから」





 なんか律がお兄ちゃんみたいじゃん。





「蓮さんに迎えに来てもらえば?」

「あっ…そうしようかな?」




 律はまだ慣れないらしくパパのことを蓮さんって呼ぶ。




 昔の空みたい。



「じゃあ蓮さんに迎えに来てもらえ」

「うん」




 私はNATSUさんに挨拶をしてスタジオを出た。




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