晴れ空男子
「ダメだし。美雨はダメ」




 …なんで……そういうこと言うの…?





 わざと期待を持たせようとしてるの?





「お前に聞いてねぇし、俺は美雨に聞いてんの」

「やめとけって。後悔するぞ」

「何…? お前が美雨のこと好きなんじゃねぇの?」







 …え…………?




「は!? おまっ……ちげぇし!!」

「中学生かよ」

「俺が美雨を? ナイナイ」






 空の言葉っていちいちグサッと来ちゃう。




 なんで?




「じゃー、いいじゃん?」

「……ダメ」

「なんでだよ。面倒な奴だな」






 空はため息をつくと私の手をまた取って一気に屋上から駆け降りた。





「あっ、待て!!」





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