世界一☆プリンセス

恋人?

「キスされたぁ!!?」


「声大きいわよ。殺されたいの?」


にらむと、蛍はあわてて口を手で覆った。



「この私にキスするなんて…ほんと、身の程知らずな男だわ!」

言うと、ニヤリと笑う蛍。



「ねぇ、キスされてドキドキした?」


みんな何なのかしら?



昨日の大和といい蛍といい…。


「大和にも言ったけど、ドキドキじゃなくてバクバクしただけ」


「へぇ~…そーか、葵にも春が来たんだね!」


春? 今夏よ。



「蛍…頭大丈夫?」


「失礼な! 大丈夫だよー」


とてもそうには見えないんだけど。



すると、蛍はそれより!!と目を輝かせて私を見つめた。




「葵ファーストキスとられたんだよ! これはもう付き合っちゃうしかないよ!!」


「意味分かんない…。何で付き合わなきゃならないの? 私には婚約者が───」


「婚約者は関係ない」



私の言葉をさえぎると、蛍は真剣な顔立ちになって言った。
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