巡愛。〜ずっと傍にいて〜(仮)
あの子はやっぱり、信玄の奥さんなの?
私じゃなくて、あの子を選ぶの?
・・・モヤモヤと涙が止まらなくて。
「ごめん・・・っ帰って・・・。」
これ以上話したら、私は何を言うか解らない。
きっと、もっと傷つけてしまう・・・そう思って。
だけど健ちゃんは、更に傷ついた顔をしてしまった。
・・・拳をぎゅっと握り締めて。
「すまない・・・結衣さん。俺は・・・あなたを傷付けてばかりだ。」
苦しそうにそれだけ呟いて、健ちゃんは出て行った。
・・・傷付けてばかりなのは・・・私も同じ。
胸がぎゅっと苦しくなって、私はまた泣いた。
一人で泣いて、疲れて・・・外の空気でも吸おうかと窓を開けた。
そして、ボーッと外を眺めていたら・・・。