巡愛。〜ずっと傍にいて〜(仮)
俺は堪らなくなって、彼女を抱き寄せた。
…華奢だな。
強く抱き締めたら、壊してしまいそうだ。
「晴信…様…。」
僅かに震えながらも、遠慮がちにしがみついてくる。
…愛しい。
誠、お前しか要らぬ。
「しずく…生涯、お前だけだ…。」
――
――――
――――――
「…しず…く…」
いや…俺は…。
記憶が引き戻される。
目を開けると…戦国時代ではなく、自分の部屋。
俺は…晴信ではない、健士郎だ…!
しっかりしないか…!
…雫の生まれ変わりと出会ってしまったというだけで。