出会いがくれたもの
ナナの好きなブランド店を見て回ったり、プリを撮ったり。
最後私はナナにただただついて行った。
はファミレスで食事もした。
「たのしかったね」
ナナが言うが、私は疲れ切って返事もできなかった。
「・・・・・・・ぅん・・」
ナナは私を家まで送ってくれた。
「今日は付き合ってくれてありがと」
それだけ言って自分の家に走っていってしまった。

翌日、私たちは学校で昨日のことを話した。
「めっちゃ楽しかったね」
私的には、あまりに振り回されて疲れたことしか覚えてなかった。
そのままチャイムが鳴り響いて、ななは自分の教室に戻った。
私もさっさと席に着いた。
私の隣の席は久方くん。頭もいいし、サッカーは小学校のころからやっててすごくうまい。
背も高いし、結構女子に人気がある。
まあ、私にはどうってこともなかったが やけに女子から羨ましがられる。
そういう女子が毎回鬱陶しくてたまらないのだ。
今日だって。朝来れば机に二つくらい手紙があって
「久方君の隣の席なんてずるい」
「満くんは私のほうが隣にふさわしい」
とか。
全く馬鹿な奴ばかり。
別にあたしが好んで隣になったわけじゃないし、寧ろ久方君の隣だと女子の目線がウザい。

次の授業は数学だった。
私は予習のためにマーカーで線を引いたり、間違えた問題に付箋をつけたりしてある。
それだけなのに女子が
「久方君にみせたいんだ。」
なんていってくる。成績はたいていあんたたちよりは上だから、馬鹿にしないでほしい。
高2は大学に進むために一番重要な時期だからいちいちけちつけられるのなんて嫌。
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