気づいたら、大好きでした。
「はーい」
そう答えて自転車に
またがり少し先に
進んでいた柾樹先輩の
あとに続いた。
球場までの長い沈黙─
黙って下を向いていると柾樹先輩が声をかけてきた。
「野球好きなん??」
柾樹先輩なりに
気を使ってくれて
いるのだろう
「高校野球が好きです!」
「高校野球いいよね!!」
その言葉に返事は
返さず ただあたしは
笑っていた。
しばらく何度か沈黙が
あったが あたしは
特に気にしなかった。