マイブームは君。
ビックリしたあたしは思わず伏せた顔をあげてしまった。
そこには誰かがいて
暗くて見えない
「佐藤…?」
あ…この声…
「尋?」
「おー!やっぱ佐藤だっ!」
その声の主は尋だった。
尋もこっちの顔はよく見えないみたいで
あたしが泣いてるのも気づかなかったみたい。
…よかった
「尋どうしたの?」
「部活おわって忘れ物とりにきた!」
「そっかー部活おつかれっ」
「サンキュ!…佐藤は?どーかした??」
「ううん。どうもしないよ」
あたしは今できる
精一杯の笑顔で言った。
大丈夫
ちゃんと笑えてる
笑えてる
「…なんかあったろ」
「えっ……」
尋がこっちに向かって歩いてくる。
尋も自分の席に座った。
「隠したってムダ!!お前、隠すのヘタクソだし!」
「な、なによー!」
「それに…」
「…なに…」
「お前、泣いてるじゃん」
あれ…
笑えてると思ってたのに
泣いてる