Love&Cocktail
「ふーん、そっか。じゃあ力ずくでも連れてくか」
「え?――…やっ…!!」
いきなりカウンターに入ってきた斗真はあたしの手をグッと引っ張った。
ガシャンッ!と音を立てて割れたグラス。
床にはガラスの破片が散らばる。
「やだっ…離して!」
「うるせぇ!黙ってりゃあ調子に乗りやがって!」
斗真は凄い力であたしをバーの外に追いやった。
――ドンッ!
「……っ…痛っ…」
強く壁に体を押し付けられて、頭と背中に痛みを感じる。
目の前には怒り狂った斗真の姿。
怖くて怖くて…体がガタガタと小刻みに震える。