Love&Cocktail
「あ、あんたが乃愛の…!?」
「あぁ、そうだよ。分かったら、とっとと失せろ」
優人さんはあたしの肩を抱くと、低い声で斗真に言った。
斗真を見る優人さんの瞳は氷のように冷たい――…。
「……チッ…クソッ」
斗真は悔しそうに舌打ちをすると、去っていった。
「……なんだよ、あの男は…って乃愛!大丈夫か?」
優人さんは背の低いあたしに目線を合わせるように屈んだ。
「う、うん…。大丈、夫……」
あたしはぎこちなく話す。
怖かった…。
男の人にあんなふうに迫られるの、初めてだったから。
骨が折れるかと思ったくらい強く掴まれた腕。
怒り狂った瞳。
殴られそうになった時…全然動けなかった。
優人さんがいなかったら…
大変なことになってたよ。