Love&Cocktail
「乃愛、お待たせ。」
ガチャッと扉が開いて、優人さんが戻ってきた。
「あ、うんっ」
あたしはなんとなくソファに座り直す。
「じゃあ手出して。手当てするよ」
優人さんはソファに座るあたしを見上げるように床に膝まずいた。
あたしは戸惑いがちに手を差し出す。
優人さんは優しくあたしの手を取ると、湿布を取り出した。
そしてなぜか湿布をテーブルに置くと、あたしの怪我した手をジッと見つめる。
……優人さん…?
「……こんな綺麗な手を傷付けるなんて信じられないな。アイツ、許せない」
優人さんはそう言うと、あたしの手の甲に優しくキスをした。
「優人さん…」
あたしはそんな優人さんに、ただドキドキしながら答えていた。