Love&Cocktail

「いらっしゃいま…あ……」




あたしは思わず声を漏らした。




「こんばんは」




そこにいたのは…長谷川さんだった。




「またいらして下さったんですね。ありがとうございます」




あたしはニコッと微笑むと、長谷川さんが座ったカウンター席にコースターとおてふきを置いた。




「ありがとう。乃愛ちゃんの作るカクテルがあまりにも美味しかったから、また来たくなっちゃってね」




長谷川さんはそう言うと、あたしを優しく見つめた。




ドキンッと高鳴る胸。




あたしは冷静になろうと必死になった。




「ありがとうございます。今日は何になさいますか?」




長谷川さんはフッと体の力を抜くと、椅子にもたれた。




「乃愛ちゃんのオススメ飲ませてよ。得意なヤツでもいい」




「オススメ…ですか?」




「あぁ」




< 12 / 336 >

この作品をシェア

pagetop