Love&Cocktail
――ギュッ
え……?
いきなり優人さんに後ろから抱き締められて、固まるあたし。
「優人、さん……?」
あたしはドキドキしながら優人さんの名前を呼ぶ。
背中から伝わる優人さんの体温。
「乃愛……」
優人さんは甘くあたしの名前を呼ぶと、あたしをクルッと回転させ、自分の方に向かせた。
「ごめん…もう少し、このままでいさせて」
優人さんはそう言うと、あたしを正面から強く抱き締めた。
背中に回る優人さんの腕。
あたしはその腕の力強さに安心しきって、そのまま身を任せた。
スーツから香る、優人さんの大人の匂い。
夜風で少し冷えたあたしの体を、優人さんは包み込むように抱き締める。
このまま離れたくない…。
全てを優人さんに委ねて、甘い感覚に陥りたい…。
あたしはそんな思いを込めて、背中に回した腕の力を強めた。