Love&Cocktail
「え、なんであたしが……」
オロオロしているあたしを見て、杣沢さんは説明を始めた。
「彼は明日一緒にバーベースに立つ佐倉那智さんだ」
えっ!?
この人が…佐倉那智……!!?
あたしはまじまじと佐倉さんを見てしまった。
「はは、驚かれても仕方ないね。俺はあんまり広く顔は出さないからね」
佐倉さんはそう言いながら、あたしに微笑む。
う、嘘…。
憧れの人がすぐ目の前にいるなんて…!!
「は、初めまして!美島乃愛です!」
あたしはバッと頭を下げた。
「うん、よろしくね。美島さん。それでさ…今日は俺、君の腕前を見せてもらおうと思って来たんだ」
「う、腕前…?」
あたしは首を傾げた。
佐倉さんがあたしの腕前を?
いったいなんで…。