Love&Cocktail
「ところで君、今いくつ?」
テーブルに肘を着きながら、質問をしてくる佐倉さん。
「22です。」
「22!?そんな若いのにこんなに完璧なカクテルが作れるなんて…君、凄いなぁ」
佐倉さんは感心したように言った。
「俺は確か22の頃はまだフランスで修行中だったからな。あんまり日本のバーのことは知らなかったんだよ」
「はい、知ってます。凄いですよね…私と同じ年の時にフランス留学していたなんて」
あたしは話を被せるように言った。
「へー…君、詳しいね」
「はい。なんせ私、佐倉さんの才能に憧れていたもので」
すると佐倉さんはびっくりしたように目を見開いた。
「そうなの?俺なんかに憧れていてくれてたなんて…嬉しいな」
佐倉さんは柔らかく微笑んだ。