Love&Cocktail
あたしは“いえ…”と少し顔を俯かせた。
「今日はありがとうね。こんなに美味しいカクテル飲んだの久しぶりだよ」
佐倉さんは満足そうに微笑むと、カクテルを飲み干した。
「いえ…ありがとうございます。そんなふうに言って頂けてとても嬉しいです」
あたしは佐倉さんの前に立つと、ニッコリ微笑んだ。
「また来るよ。それと…明日はよろしくね。楽しみにしてるよ、君がどれだけバーベースを埋め尽くせるのか」
佐倉さんはニッと笑うと、お代をテーブルに置き、席を立った。
「あっ、ありがとうございました佐倉さん!!」
あたしは咄嗟に声を掛ける。
すると佐倉さんはゆっくりこちらを振り返り
「こちらこそ。ごちそうさま」
そう言ってバーを出ていった。