Love&Cocktail
「乃愛ちゃん、お仕事って何時くらいに終わる?」
長谷川さんはメモ帳を鞄にしまいながら言った。
「えっと…12時ですかね。片付け等も済ませると」
「そっか。じゃあ俺待ってるから送らせてよ」
「へっ!?」
あたしはびっくりして目を見開いた。
「女の子1人で帰らせるのは危ないでしょ。」
「え…でも悪いですよ……」
あたしは遠慮がちに言った。
お客さんに送ってもらうなんて申し訳ないよ…。
「ふっ、乃愛ちゃんはやっぱり控え目だな。いいんだよ。俺が勝手に送るとか言い出したんだから」
長谷川さんはそう言うと、カクテルを一口飲んだ。
「でも……」
「送らせてよ、乃愛ちゃん」
長谷川さんはあたしに言い聞かせるように言った。