Love&Cocktail
「ごめん、ちょっと無理だな」
俺は申し訳なさそうに言った。
ホントは別に悪いなんて思ってないけどな。
ただ…
乃愛以外の女と食事をしたり、親しく話したりはしたくない。
乃愛を不安にさせるようなことはしたくない。
それだけのことだ。
「えーっ、残念…。やっぱり彼女さんがいるって噂、ホントだったんですね…」
睫毛の重たそうな女が、チラッと俺の左手の薬指を見ながら残念そうに言う。
そう。
そこには乃愛とのペアリングがあるから。
このリングのおかげで前よりは、だいぶ言い寄られることは少なくなった。
乃愛もそうかな?
「うん、申し訳ないけど」
俺は困った笑みを浮かべ、女3人に愛想を振り撒く。