Love&Cocktail
ホントに馬鹿としか言い様がない。
社会人としての自覚が薄すぎる。
そりゃあ若い時はハジけたいだろう。
チャラチャラしたくなるだろう。
けど…
それとこれとは別だ。
やる時はやる。
それを身に付けなければ…この先やっていけない。
――その点、乃愛はすごく出来てる女性だと思う。
仕事にも真面目だし、凄くデキる女だ。
まぁ…その分、心配なこともあるけど。
乃愛の場合、逆に言い寄られるなんて日常茶飯事だろう…。
俺が守ってやりたいけど…仕事があるし。
あのリング…。
ちゃんと役に立ってるかな?
俺はそんなことを思いながらもオフィスを出た。
――社員食堂。
ガヤガヤと騒がしい食堂。
俺は適当にA定食を頼み、空いている席を見つけて座った。
「ゆーうっ!隣いいかー?」
昼食に手を付けようとした矢先、声を掛けられた。
「――京(きょう)…」
そこにいたのは同期で仲間の山下京(やましたきょう)だった。