Love&Cocktail
あたしは優人さんのジャケットに顔を埋めて、目を閉じた。
温かい…。
すごく安心する…。
「――乃愛、寝た?」
リビングから優人さんが戻ってきて、あたしに声を掛ける。
「ううん…寝てないよ」
あたしは優人さんのジャケットから顔を出した。
「そっか。じゃあシート取り替えよっか」
優人さんはあたしの前髪をかきあげると、乾いた冷却シートを剥がしてくれた。
そして額に手を当てる。
「……やっぱまだ熱高いな。大丈夫?」
優人さんは心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「ん〜…な、んか…頭、痛い……」
あたしは頭を押さえながら答える。
「そっか…じゃあ、なんか食べて薬飲んで寝るか。今日はゆっくりしてろよ」
優人さんはあたしの頭を優しく撫でると、立ち上がった。
「ちょっと待っててな」
「あ…うん……」
あたしの返事を聞くと、優人さんは寝室を出ていった。