Love&Cocktail
「あ…うん…。ありがと、宇野くん……助かったよ」
あたしは苦笑いをしながらお礼を言う。
「乃愛さん…彼氏さんにちゃんと今日のこと話しておいた方がいいですよ。またあんなふうに来られても困るのは乃愛さんですよ?」
「……っ…」
確かにそうだ…。
優人さんにちゃんと言わないと、上田さんは付け上がって、またバーに来かねない。
「……うん…。そうだよね…」
あたしは俯きながらグラスを片付ける。
「……悩みとかあるんだったら、聞きますよ?彼氏さんに言えないこととかあるんだったらいつでも言って下さい。力になりますので」
宇野くんはフルーツの下準備を始める。
「え……」
「別にあなたが好きとか、そういう意味じゃありませんよ。ただ…乃愛さんは俺の尊敬する先輩なので放っておけないだけです」
宇野くんは淡々とした口調で話す。
宇野くんらしいなぁ。
「クスッ。ありがとね」
あたしはなんだか、それを凄く微笑ましく思って笑みを溢した。