Love&Cocktail
「ごめん…ごめんな、乃愛……嫌な思いさせて…」
優人さんは小刻みに震えている。
「ゆ、優人さ……」
「俺だって…絶対に乃愛と別れたくない。何があっても」
優人さんはそう言うと、あたしを更に強く抱き締めた。
「うん……ありがと…」
あたしは震える優人さんの背中に腕を回した。
「上田には俺から言っておくから」
「え…」
「もう乃愛には近付くなって。それと…乃愛以外の女と付き合う気はないって」
優人さんはそう言って、あたしの頭を撫でる。
「いいの…?会社の人でしょ?気まずくなったりしない?」
あたしが心配そうにそう言うと、優人さんはフッと困ったように微笑んだ。
「乃愛は心配しなくていいから。気まずいんだったら、あっちが辞めていくだろ」
優人さん…。
あたしは優人さんの優しさに胸が熱くなった。