Love&Cocktail
「今日もホントは会う約束してたんだけど…彼の奥さんが熱出しちゃって。急遽中止になったの」
「……………」
「彼と一緒にいたら…絶対に朝まで帰れないから。一晩中……あの人の腕の中にいたいって…思っちゃうから……」
彼女は肘をついて項垂れた。
「……お客様は…そうとう彼に惹かれてるんですね。」
「……そうね。あたし、あの人を本気で愛してる」
あたしは、なんて声を掛ければ良いのか分からなかった。
だって…不倫でしょ?
許されない恋でしょ?
……苦しいだけじゃないの…?
「でも……いくら愛していても、彼には家庭がある。無理なのよね…あたしは、ただの二番目にしかすぎないから。」
「……お客様…」
「ダメだって分かってるのよ?分かってるけど……止められないの…好きだから……」