Love&Cocktail
「ううん!気にしないで。あたしが勝手に話し出しただけだし。それに……」
「それに?」
「あたし、お母さんがいなくても幸せだったから。お父さんも優しかったし、お兄ちゃんも頼れる存在だったから……すごく幸せだから」
あたしは優人さんの綺麗なセピア色の瞳を見つめながら言った。
だってホントのことだから。
お父さんもお兄ちゃんも…あたしがお母さんがいなくても寂しくないように、いつも一緒にいてくれた。
だから、あたしは不幸だなんて思わない。
「そっか…。そんなに良いお父さんとお兄さんの下で育ったから…乃愛はこんなに良い子になったんだな」
優人さんは優しく微笑んだ。
「あははっ!そうだといいな〜♪」
あたしは照れ臭さを隠すためにチャーハンを頬張った。
それに…嬉しかったんだ。
お父さん達のことを良く言ってもらえて。
あたしを育ててくれた大事な人達だから…。