Love&Cocktail

「ううん!気にしないで。あたしが勝手に話し出しただけだし。それに……」




「それに?」




「あたし、お母さんがいなくても幸せだったから。お父さんも優しかったし、お兄ちゃんも頼れる存在だったから……すごく幸せだから」




あたしは優人さんの綺麗なセピア色の瞳を見つめながら言った。




だってホントのことだから。




お父さんもお兄ちゃんも…あたしがお母さんがいなくても寂しくないように、いつも一緒にいてくれた。




だから、あたしは不幸だなんて思わない。




「そっか…。そんなに良いお父さんとお兄さんの下で育ったから…乃愛はこんなに良い子になったんだな」




優人さんは優しく微笑んだ。




「あははっ!そうだといいな〜♪」



あたしは照れ臭さを隠すためにチャーハンを頬張った。




それに…嬉しかったんだ。




お父さん達のことを良く言ってもらえて。




あたしを育ててくれた大事な人達だから…。




< 283 / 336 >

この作品をシェア

pagetop