Love&Cocktail
「久しぶり、乃愛」
斗真は半年前と変わらない笑顔であたしに笑い掛ける。
どうして…斗真がここに…。
確かに斗真と付き合ってた頃はよく飲みに来てくれてたけど
別れてからは一切会わなかったし、口も訊いてない…。
あ、それが普通か。
別に泥沼で別れたワケじゃないし、お互いにもう新しい恋に進んで、幸せになってると思ってた。
なのに何で今頃…?
「ど、どうしたの?何か用?」
あたしは当たり障りなく話す。
今はお仕事中だし…。
「うん、ちょっと乃愛に会いたくなって」
斗真はそう言うと、あたしの髪に触れようとした。
その瞬間、あたしの頭の中をよぎった優人さんの顔。
あたしは素早くその手を払い除けていた。