Love&Cocktail

「そんなことないですよ」




「ははっ。乃愛ちゃんは控え目なんだな」




長谷川さんは無邪気に笑った。




すると西野さんが横から入ってきた。




「なぁ長谷川、とにかく乃愛ちゃんのカクテル飲んでみろよ。マティーニなんか最高だぜ?」




西野さんは長谷川さんの肩をポンポンと叩いた。




「マティーニですか…じゃあ…それをお願いしようかな」




長谷川さん西野さんからあたしの方に目線をずらし、そう言った。



「マティーニですね。かしこまりました」




あたしはなんとか冷静を保ちながらカクテルを作り始める。




お酒の瓶を持つ手が震える。




落ち着け、落ち着け、あたし…。



「お待たせ致しました、マティーニです」




あたしはなんとかカクテルを作り終わり、長谷川さんに差し出す。



「ありがとう」




長谷川さんはニコッと微笑むと、カクテルグラスを持ち、カクテルを飲む。




……どうかな?




変な味になってないかな!?




あたしは不安でいっぱいだった。



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