Love&Cocktail
「すごくおいしいよ。俺が今までに飲んだマティーニの中で一番美味い」
長谷川さんは妖艶な笑みを見せた。
あたしは嬉しくって思わず顔がほころぶ。
「ありがとうございます…」
あたしは赤くなる顔を隠すようにお酒の瓶を棚に戻した。
それから長谷川さんと西野さんはしばらく飲み、話をしていた。
「――よし、そろそろ帰るか。」
西野さんが最後に注文したカクテルを飲み干し、言った。
「そうですね、明日も早いことですし」
長谷川さんは鞄から財布を取り出す。
そして一万円札を三枚、カウンターに置いた。
えっ?
こんなに飲んだっけ?
あたしは不思議に思い、長谷川さんを見た。