Love&Cocktail
「は…ぁ……」
しばらくして唇が離れると、あたしは甘い吐息を漏らした。
優人さんはそのままあたしが上に羽織っていた、レースボレロを脱がせた。
首筋から胸元辺りまでが露わになる。
そしてあたしの首筋に優人さんが顔を近付ける。
あたしは目を閉じた。
その瞬間、あたしは忘れてはいけない悲劇を思い出してしまった。
あ…れ…?
首筋って…?
“もし…彼氏がそれ見つけたら…どうするかな?”
ドクンッ!!
斗真の言葉が頭をよぎる。
――ドンッ!
あたしは言葉より先に優人さんを突き飛ばしていた。
「乃愛……?」
優人さんは驚いた顔をしてあたしを見る。
どうしよう…。
優人さんのこと突き飛ばしちゃった…。
嫌じゃないのに…。
むしろ嬉しいのに……!
なのに斗真が付けたキスマークのせいで、優人さんとの行為が苦しくなってしまう。