Love&Cocktail
――カランカラン
バーの扉が開く音がして、あたしはそっちを振り向いた。
「いらっしゃいまー…!!」
あたしはそこにいた人物に血の気が引くのを感じた。
「乃愛……」
そこにいたのは斗真だった。
どうして!?
なんで…また来てるの!?
「乃愛、ちょっと話があるんだ。外まで来れないか?」
ドクンッ!!
あたしの心臓は嫌な音を立てた。
嫌…。
もしついていったら…何されるか分かんないよ…。
「ごめんなさい、今お仕事中だから」
あたしはそう言うと斗真の存在を無視してグラスを拭き始めた。
参ったな…。
今は杣沢さんも買い出しに行ってていないし、お客様もお手洗いに行ってるし…。
そう、つまり今あたしは斗真と2人きりなのだ。