大嫌いで、大好きな君
今日もいつもと一緒で、
席が近いレイタと喋っていた。
好きなミュージシャンとか、
中学校のころの話とか。
些細な共通点でも、いい話のネタになった。
レイタは、ときどきおもしろいこと言って、笑わせてくれた。
最近は、アユムよりレイタと話す機会のほうが多かった。
そして、レイタとよく話すことをミユにも言っていたのだ。
ミユはいつもうなずきながら聞いてくれた。
でも、今日。
「それってさ、ゆうはレイタのこと好きなんでしょ?」
「え…」
想像もしていなかった言葉に少し驚いた。
でも、自分でもなんとなく思っていたこと。
だけど、いざそう思うとありえない。
だって…
「ないよ、多分!だって恋愛対象じゃないし、性格とかタイプじゃないー」
あたしはそういって笑い飛ばした。
でもミユは冷静な顔で
「いや、タイプとか好きになったら関係なくない?」
そういった。
確かに…。
ミユの言うとおり。
だけど、あたしはレイタのこと好きじゃないし!!
あたしがレイタのこと好きなわけないよ!
そう自分に言い聞かせた。