大嫌いで、大好きな君




そして、席の移動が終わった。
あたしの前にはレイタがいた。
そして、あんまりなじまない席でみんなは少しざわついていた。
あたしも思い切ってレイタに話かけようとした。
うかれすぎて、ニコニコしてるあたし。
でも、最高だと思った席は、すぐに最悪に変わった。




「レイター、ばかでしょ?」



「おまえよりかはいいよ!」





え…?
前の席を見ると、小、中学あたし達と一緒だった女の子がいた。
―――柿崎 彩  



そういえば、レイタとアヤチャンすごい仲良いんだった。
一時期は、「付き合ってる」なんて噂もあったくらい。
レイタはアヤちゃんと喋ってるとき、本当に笑顔だった。
ズキン…――――。
なんだろ、すごいモヤモヤする。
嫌だ…
嫌だ…
そんな笑顔を向けないで。
嫌だ、嫌だ…ねぇ、レイタ…?
あたしは涙があふれそうだった。
それを下を向いてグッっと我慢した。




なんなの?
馬鹿みたい。
嫉妬しちゃってるの?
馬鹿…じゃん…。



そのあと、すぐにチャイムがなった。
あたしはミユを連れて水道に向かった。

あの教室に居たくなかった。
いると、見たくない光景をみてしまう。



仲がいい2人の光景…。
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