大嫌いで、大好きな君







「…ゆう、大丈夫」



ミユが優しくあたしに声をかけてきた。



あたしは机から顔を上げて


「大丈夫、眠かっただけ」




そういった。
するとミユはわらって「そっか」って言った。
ダメだ、
あたし、みんなに心配かけてるじゃん。
コレじゃダメなんだよ。
やっぱり…、レイタを諦めるしかないんだ…。
あたしにはそれしかないんだ…。




「ミユ…?」



「んっ?」



「あたし…諦める…、レイタ諦める…」




「ゆう…」


「今回は、仕方ないよ…」




その言葉を言い終わると、あたしの頬に涙が伝った。
それを見るとミユは



「ゆうは、がんばった…がんばったね」




そういってあたしの手を握ってくれた。
ミユ…?ありがと…。




「ミユ…大好き。ありがと…」




あたしは笑ってミユを見た。
そのときのミユは優しく笑ってた。
< 35 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop