大嫌いで、大好きな君






「ゆう…?」




横を向くと、アユムがいた。
少し息を切らしていた。




「アユム…」



「心配した、遅かったから」




そういって、あたしの手に持っていたジュースを半分以上持ってくれた。
そして「行こう」といった。
あたしはアユムのあとを追った。
心配してくれたんだ…。
少し、くすぐったい優しさがうれしかった。


そんなとき歩いていたアユムが止まった。
そして振り返った。
あたしはすこしビックリした。
アユムの目は真剣で、髪の毛は夕日をあびて茜色に染まっていた。
頬が赤く染まっていた。
そんなアユムが口を開いて





「ゆう…、ゆうのことスキだよ、俺」





優しい口調でゆっくりアユムはあたしにそう告げた。
え…、アユム…?
あたしは突然だからすこし困った。




「レイタのこと、スキだろ?だから返事は今すぐじゃなくていい、考えて」




「アユム…」



「でも、今はスキじゃなくていいから、チャンスほしいな」





笑顔でそういい、アユムは歩きだした。


――――ポロポロ…



どうして…、?
涙が止まらないよ…。
頬をゆっくり涙が流れ落ちる…。
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