大嫌いで、大好きな君
駐輪場であたしはアユムの後ろから降りた。
そして2人で学校の中にはいった。
その短い距離だけど、アユムはあたしの手を握っていてくれた。
慰めるように、優しく、そっと…。
そのおかげで少し落ち着いた。
教室のところにいくとミユがいた。
あたしの姿を見つけると駆け寄ってきた。
「ゆう!」
「ミユ、おはよ」
「おはよー」
「え、なに、2人付き合ってるの!?」
あたしたちの姿をみてミユが聞いてきた。
するとアユムが嬉しそうに大きくうなずいた。
するとミユはニヤニヤしながら
「やるなーアユム~」
そう言ってアユムを小突いた。
アユムは笑っていた。
なんか和む。
「じゃあ、ミユ、ゆうよろしく」
そういうとアユムは1人で教室に入っていった。
教室にはいると、クラスの女子に質問攻め。
男子も女子も、みんなあたしたちの姿をみていたらしい。
それはおどろきだよね。
いいネタになってしまったものだ…。
レイタを見ると、無表情だった。
少し期待した。
でも、やっぱりレイタはあたしのことなんとも思ってないんだね。
あたしは自分の席に行き、ミユと喋りながら授業開始を待った。