大嫌いで、大好きな君
1日はいつものように過ぎる。
ミユと笑いあいながら、楽しい日が過ぎる。
アユムも隣に来て笑いあう。
でも、あたしは時間を気にしていた。
時間と、レイタを気にする…。
強がりの選択。
でも、本当にアユムがスキだから。
選んだんだよ?
アユムには本当の笑顔でいてほしいから。
そして放課後はあっとゆうまにやってきた。
あたしとアユムは手をつないで屋上への階段を上った。
そのときの空気はあまりいいものではない。
アユム、少し分かってるのかな?
少し、歩くペースが遅い。
それは、あたしが名残惜しくしているのか。
それとも、アユムがなにか感じ取っていたのかな?
屋上のドアを開けると、今日も晴れていたので夕日が綺麗だった。
いつも2人を照らしてくれるこの夕日。
始まりも…
終わりも…。
近くのフェンスに寄りかかって腰を下ろす。
繋がれたままの手。
しばらく無言だった。
風が心地よく吹く。
部活をしている生徒の声がこだまする。
そんななか、あたしは口をひらいた。
「アユム…」
「ん…」
少し低めの声。
でも、あたしを見て笑うアユム。
どこか、辛そうな顔。
また…
嘘の笑顔を作ってる。
もうそんなのみたくないよ…
だから…。
あたしはゆっくり口を開く。
「別れよう…」