大嫌いで、大好きな君






壁に寄りかかってたミユがあたしに近づきながらそういった。
あたしは突然のミユの言葉にたじたじするばかり…。
ミユはあたしに人差し指を向けて



「ゆうはレイタへの気持ちがはっきりしないから次の恋へ進めないんだよ!告白しなきゃ、アユム以外にも誰かを傷つけるよ!?」





「うっ…」





ミユは得意げにあたしに言ってきた。
多分、ミユの言ってることはあたってる。
でも…



「でもミユ、あたし怖い…」




「なんで?もうあんまり喋ってないんでしょ?だったら嫌われてもおなじじゃん!」





「ぅっ…」




痛いとこをついてくるな…ミユゥ…。
でもやっぱりあたってる。
このままの関係なら、告白して…きっぱり諦めつけるしかないよね…。






「で、でも。今は…まだ…」




「そうやって逃げる?また同じこと言うでしょ?ゆう!逃げちゃダメ!」






ミユのまっすぐな瞳があたしを捉えた。
あたしはその視線から逃げられなくなった。
優しく、でも厳しくあたしを見守ってくれる瞳。
ああ、そうか…。
ミユはずっとずっと心配してくれてたんだよね…。
きっと今のあたしがあるのは、いろんな人のおかげだよね…。
あたしが笑ってる裏で、アユムは傷ついている。
そしてアユムが好きな子も泣いている。
あたしは、進むしかない…進まなきゃいけないんだよね…。
いつまでもレイタにしがみついて留まっていちゃダメなんだよね…。
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