大嫌いで、大好きな君
「キセキかぁ…そう言えるかもね…」
ミユは目を細くして笑った。
「もし、ゆうがあの日の朝寝坊してないあたしと登校してたらレイタのことなんか意識してなかったかもよ?」
イタズラっぽく笑いながらミユは言った。
あたしはミユの言葉を考えた。
たしかにそうかも。
始業式の日はレイタの存在なんてなんとも思ってなかったし…。
「なんか人生って複雑…」
「でも面白くない?」
ミユはあたしの言葉にすかさずつけたした。
そしてあたしも「そうだね」と同意した。
レイタを好きになったのが運命なら…、
レイタがこれからあたしに言ってくれることも運命?
なんて、くさいことを考えた。