大嫌いで、大好きな君
それからは体育祭の準備や練習などで学校中は大騒ぎだった。
それぞれ、衣装係などが決まったりして応援リーダーなども決めたりでバタバタしていた。
そんななか、あたしとミユはなんの役にもつかずにまったりしていた。
昼休みも、いつもの騒がしさが半分になったりしていた。
そして今日も昼休みの教室はガラン…としてだれもいなかった。
でもそこにバタバタと誰かが入ってきた。
ミユがベランダから教室の中を見て声をだした。
「あーレイタ」
「ぇっ…」
あたしは小さく呟いた。
そしてミユと同じように教室の中を覗き込んだ。
すると自分の机に向かってプリントをしまっているレイタの姿があった。
レイタは首だけをこっちに向けた。
あたしはふとレイタの足へ目をやると膝に傷があった。
「よっ」
レイタはそんなあたしに気づかずあいさつをした。
そしてミユもレイタの足に気づいたみたいで
「レイタ、足どうしたの!?」
「え、昨日部活でころんだ」
「大丈夫!?痛そう…」
あたしはレイタにそう話しかけた。
勇気だしたよ。
するとレイタは膝を見ながら
「うん、痛いっ」
そう返してくれた。
それだけだけど…すごい嬉しくなるあたし…。
変かな?
でもやっぱり嬉しいや。
するとレイタはプリントをしまい終わると、まだ体育祭の係りの仕事があるからと筆箱を持ち教室をあとにした。
あたしたちはベランダに座りなおした。
「ゆう、よかったじゃんっ」
ミユが笑顔であたしにそう言ってきた。
あたしはミユに笑顔で返した。
「うん、よかったっ」
そして2人で笑いあった。