大嫌いで、大好きな君





放課後になりあたしはミユと帰っていた。
チャリにまたがりミユと喋りながら帰っていた。
今日はテニスコートの脇の道を通った。
テニスをする生徒達の姿が目にはいる。
そのなかにレイタもいた。
ボールを必死に打ち返しているレイタ。
傷が痛々しいけど、それでもがんばっている。
それくらいテニスが好きなんだ。
一生懸命なレイタに見とれてしまう。





でもチャリにのっていて一瞬で通り過ぎてしまう。
あしたもまた会えるよ。
大好きな君に。
大好きで大好きでしょうがない君。
大切で大切な君。





あたしはいろんな思いのままミユと町に出かけた。



やっぱりミユと遊ぶのが一番楽しい。
でも今日は課題が出ているので早めに帰ることにした。
あたしはミユと公園で別れて自転車をはしらせていた。
すると前方にテニスラケットを持っている人を見つけた。



――――――レイタだ…。





ドクン…。
体全部がゆれるような感じがした。
目の前にはレイタ…。
どうしてだろう…脈拍がおかしいほど激しい。
緊張して、冷静さが保てない。
でもあたしは確実にレイタに近づいている。
そしてあたしは自転車からおりてレイタに走って近づいた。
自分でもしていることがわからない。
けど、1回走り出した足は止まらない。

『今しかない』


あたしはなぜかそう思った。
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