絶対彼氏


「チビ」

「チビじゃないもん!
今はこの姿だからチビなだけだもん」

「高校生でも俺より背が低いからチビだろ」

「そりゃ…所詮紫苑から見たらチビだろうけど…、これでも背高い方だもん」

私は160弱の身長で紫苑は180くらいはあると思う

でもチビじゃないし…

「取り敢えずチビだ」

「チビじゃないもん!!」

「チビだ、チビ」

なんかチビって連呼されるとムカつく

「あ、早恵さん」

紫苑が歩いていた女性に突然声をかけた

「何でしょうか?」

くるっとこちらを向いた早恵と呼ばれる女性

着物を着ていてちょっと顔に小皺がある40代くらいの人

「この食器片付けておいてもらえませんか?」

「かしこまりました
何処かお出掛けになられるんですか?」

「ちょっとこの子を友達の家に送り届けに」

「そうですか
お気をつけてくださいね?
最近は物騒ですから」

そう言い残すと早恵と呼ばれる人は去っていった

「さっきの人は?」

「早恵さん。大分前からこの家にいるお手伝いさん的な人」


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