絶対彼氏


的な人ってなんなの…

「あら、紫苑。もう行くの?」

玄関を開けて外に出ようとしたら後ろから声がした

「うん、このあと友達と遊ぶ約束してるし」

ニコッと笑いながら振り向きそう返す
でもその笑顔は本当の笑顔ではなく、学校で使っている素を隠すための笑顔だった

「そう、気を付けていってきなさいよ」

「いってきます」

「お邪魔しました…」

外に出ると家の中とは違い、風が冷たかった

無言で歩く紫苑の背中を追い掛けて早足で歩く

その背中は何故か不機嫌そうなオーラを纏っていた

結局お互い終始無言のまま、電車を乗り継ぎ着いたのは最近出来たばかりの遊園地

「うわぁ、ここ来てみたかったんだよね!」

土曜日と言うこともあり、ちょっと混み合ってた

「だから言っただろ?
お前が喜ぶところに行くって」

そう笑いながら話す紫苑は先程とは違い、楽しそうだった


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