絶対彼氏


「ほ…ホントに行くの…?」

「俺の行きたい所に行くんだろ?
さっさと行くぞ」

と言うわけでお化け屋敷に連れてこられた私

本当にお化けとか無理
小さい頃から雷とお化けだけは駄目なんだよ…

「うぅ…怖い…
早く行こうよー…」

中に入ると何処からか…お化け屋敷独特の、あの何とも言えない曲が…

「お化け屋敷怖いわけ?」

「う、うるさい!
怖いわけ…ないじゃん!!」

「足が震えてるのに…良くそんな強がってられるな」

「な、何言ってんの?
震えてないし!」

嘘、実はすっごく震えちゃってます
…何となくだけど、紫苑にだけは、弱味を握られたくなかった

「ふーん…
あ、後ろに生首が…」

「え、嘘!
ほんと無理。ごめん、私が悪かったから!!」

「ぷ…あはは。誰に謝ってんだよ
やっぱ怖いだろ?」

爆笑された
お化け屋敷の中で爆笑されたよ

「うぅ…ほ、ほら早く行こうよ!」

途中で笑い声とか聞こえたりしたが何とかお化け屋敷も中盤へ

ふいに後ろから誰かが肩を叩いてくる

「ねぇ紫苑、私を脅かしたいのか何なのか知らないけど、肩叩くの止めてよね」

「は?俺何もしてねーし」

「じゃあ誰が…」

恐る恐る後ろを見るとそこには…髪の長い、赤いドレスを着た女性が…

「あはは…凄くリアルだね…
従業員の人も大変だろうね」

自分でも何が言いたいか分からなくなってきた…


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