絶対彼氏


「は?意味分かんない
さっきも言ったけど、別れるって言ったじゃん」

「…成宮、誰に口聞いてるわけ?」

明らかにさっきより低くなった声
駅には人がいっぱいいると言うのに、桐の声しか聞こえない

一歩ずつ近づいてくる桐。その度に一歩ずつ退く私

「な、何よぉ…」

桐の腕が振り上げられ、殴られる!
そう思った時だった



「桐?」

鈴のような凛とした声が聞こえた
すると桐の振り上げられた腕が降ろされた

「月火…。なんでここに居るわけ?」

「桐の姿が見えたから追いかけてきちゃった
それとも私がここに居たら悪いの?」



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