絶対彼氏

「それじゃあ成宮さん。
帰りに教室に迎えに行くから待っててね」

下駄箱で紫苑はそう告げると女子に囲まれ去っていった
しかも何気に"瑠璃ちゃん"から"成宮さん"になってるし
裏と表が違いすぎる…

「成宮さん…だよね?」

「…はい?」

今にも消えそうな小さな声で名前を呼ばれ振り返ると、そこには赤月さんが立っていた

小柄で155㎝ないくらいの身長で、セミロングの明るい茶色の髪の毛で、前髪ぱっつん。黒縁眼鏡がとても似合う
なんか見てると守ってあげたくなるような女の子

今まで全く赤月さんと喋ったことがないのになぜ声をかけられたんだろう…

「な…成宮さんって…須藤くんと付き合ってるんだよね…?」

…紫苑に関することですか…
そうだよねー。
学園で可愛いって言われてる赤月さんが、この平凡な高校生の私に理由もなしに話しかけてくるわけないよね…

「つ…付き合ってるんじゃ…ないかな?」

「…そっか…」

そういうと赤月さんはがっかりしたような顔をした
赤月さん…本当に紫苑のこと好きなんだ

「…ごめんね、赤月さん…」

「え…あ、ううん!成宮さんが謝らないで!
須藤くんが成宮さんのことを選んだんだから」


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