絶対彼氏


「はぁ…」

何なの、こいつ
私、昼放課は絶対嫌だ
行きたくない!

そう思ってると紗季が携帯を覗いてきた

「うわっ!?
王子からじゃん。いいな!
なに?なに?お昼2人っきりでご飯食べるの?
きゃーーー、羨ましい!!」

「紗季…うるさい…」

こんな奴のどこが良いの!?
ただの俺様じゃん!

紗季に変わってあげたい…

そんなことを思ってるとチャイムが鳴った
一時間目から帰りたいと言う憂鬱な気分になるのは初めてだ…
先生の話を聞いているが私は授業どころではない
いつもは早く終わってほしい授業も今日は一生終わらないでほしい

そんなことを考えながらふいに窓の外に目をやった
グラウンドで体育をしているのは運悪く紫苑たちのクラスだった

男子はサッカー、女子は陸上種目だが女子の皆さん、授業そっちのけで紫苑を応援してる
……先生もだよ……

紫苑がシュートを決める度に女子たちの甲高い悲鳴が…

うるさくて授業に集中できない
もとから集中できてないが…

窓から入った風が私の頬を撫でる
でも何故だか胸騒ぎがする…
…今日は嫌なことがありそうだな…


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