絶対彼氏


「私、変なこと言った?」

そう私が聞いたときに丁度電車が来た
紫苑は私の質問には答えずさっさと電車に乗っていってしまった

何で無視するのよ…

電車に乗ると紫苑と私以外誰も乗ってなかった

取り敢えず一番端に座った
すると紫苑は私の隣に座る

「なんで隣に座るのよ?
座る場所いっぱいあるじゃん」

「どこ座ろうが俺の勝手だろ」

勝手だけどわざわざ隣に座らなくても…

「じゃあ私違う所に座る」

違う座席に座ろうと思って立ち上がったら紫苑が私の手を引いた
その反動で私は後ろによろめいた
そして何故か紫苑の膝の上へ抱き寄せる形になった

…いや、実際後ろから抱きしめられてる

「なにすんのよ」

「……」

「離してよ…」

「嫌だね」

「なんでよ-…」

それっきり紫苑は黙り込んでしまった

ってか今さらだけど密着しすぎ…
あーもう、なんでドキドキしてるのよ
うるさい、黙れ私の心臓!

そんなこと考えてると抱きしめている手の力が緩んだ…気がした
後ろを見てみると紫苑は寝ていた
小さな寝息をたてながら…

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