絶対彼氏


過去に触れられたくない
でもきっといつかはバレるんだろうな…

「さ、食べよ。
温かいうちにさ」

にっこりと笑って言う私
きっとあんまり笑えてない

「いただきまーす」

「いただきます」

「味付け適当だから不味かったらごめんね」

「んーやっぱり瑠璃のオムライスは美味しい」

ってか自分で作った方が美味しいんじゃないの…?

「意外に上手い…」

「意外は余計!
これでも料理だけは自信があるんだから」

「瑠璃は紫苑のいいお嫁さんになるわよ」

「ならない、ならない」

紫苑と結婚するくらいなら独身の方がまし

「照れないだって良いじゃない」

「本当にこんな晩ご飯が毎日あれば、仕事を早く終わらせて帰ってきますよ」

「まぁ上手いこと言っちゃって」

何か杏子姉…紫苑の事気に入っちゃってない?

「ご馳走さまでした」

「ごめんねー、紫苑くん。
こんな時間になっちゃって」

時計を見ると時刻は9時を回っていた

「気にしないでください。
それじゃあお邪魔しました」

「瑠璃ー駅まで送っていってあげなよ。
片付けはお姉ちゃんがやっておくからさ」

うぅ…、暗いのとか苦手なの知ってて言ってるのかな…
でも杏子姉の言うことは絶対だしなぁ…
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