絶対彼氏


しょうがない、送ってくかぁ

「はーい」

めんどくさいしサンダルでいっか

玄関の門を開けて紫苑の後を追う

「紫苑くんー、また来てね!」

もう呼ばないから来ることはないよ
ってか杏子姉あんまり帰ってくることないじゃん
会えなくない?

「お前の飯、意外に上手かった」

「だから意外は余計だってば」

「また食べに来てやるから」

「うわ、ちょー上から目線だし」

「だってお前より俺の方が上だし」

「何が上なのよ」

「全てが上」

まぁそうかもしれないよ…
頭も紫苑の方がいいし、私よりモテるしさ…

「つーかさっきお前の姉ちゃんが元カレの話がなんだって?」

「………」

ピタッと止まる私
お願いだからその事には触れないで
そう言いたかったのに口が開かない

「おい、聞いてるのか?」

「え、あ、うん…ごめん」

< 56 / 120 >

この作品をシェア

pagetop