絶対彼氏
しょうがない、送ってくかぁ
「はーい」
めんどくさいしサンダルでいっか
玄関の門を開けて紫苑の後を追う
「紫苑くんー、また来てね!」
もう呼ばないから来ることはないよ
ってか杏子姉あんまり帰ってくることないじゃん
会えなくない?
「お前の飯、意外に上手かった」
「だから意外は余計だってば」
「また食べに来てやるから」
「うわ、ちょー上から目線だし」
「だってお前より俺の方が上だし」
「何が上なのよ」
「全てが上」
まぁそうかもしれないよ…
頭も紫苑の方がいいし、私よりモテるしさ…
「つーかさっきお前の姉ちゃんが元カレの話がなんだって?」
「………」
ピタッと止まる私
お願いだからその事には触れないで
そう言いたかったのに口が開かない
「おい、聞いてるのか?」
「え、あ、うん…ごめん」