絶対彼氏


気が付くと私は教室にいた

あれ…寝てたのかな…

理科室でなんか不味い液体飲まされて…そっから記憶がない

ま、いっか

ポケットに手を突っ込み携帯に触れて思い出した

「あ、紫苑待たせっぱなしだ」

取り敢えず探しに行こうと思い自分の席から立つといつもと違い視界が変わった

目線がいつもと違う
今更ながらそう気づいた

鞄の中から鏡を出して見てみると何故か服も変わっていた

「おい、瑠璃
お前いつまで俺を待たせてるんだよ」

「し…紫苑ー」

紫苑に駆け寄ったら案の定目が点

「何で小学生がここにいるんだよ」

「違うもん!私だよ、私
瑠璃だよ」

ピョンピョン跳び跳ねながらなんとか分かって貰おうとする

小学生と言われるのも無理がない
私が着ている服は近くの小学生の制服だったから

「は?
なに言ってんの?」

こいつ頭逝かれてるんじゃねぇのって目で見てきた

「な…何で分かってくれないの…」

何故だかポロポロと涙が零れてきた
何でこんなことになってんのよ

袖で涙を拭いても拭いても涙は止まらない

「バカ…紫苑のバカぁ」

大声で泣く私にちょっと困ってる紫苑

「分かったから泣くなっつーの」


< 80 / 120 >

この作品をシェア

pagetop